【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「そんなこと……っ」
食い下がれば、小林先輩はよく可愛らしいと褒め称えられているであろう整った顔をさらに歪め、ぴしゃりと私の声を断つ。
「他人にとやかく言われる筋合いはない。
私には列記とした付き合ってた過去があるんだから。
どうせ、あんたが明希に付きまとってるんでしょ?
明希は、あんたみたいなまわりから敬遠されるような子が独り占めしていい人じゃないの」
痛いところを的確に突かれ、私は思わずこぶしを握りしめた。
……たしかに、私と明希ちゃんの間に、なにか明確な関係性があるわけじゃない。
と、不意に小林先輩の鋭い視線が、私の腕の中のノートを目敏く見つけた。
「ていうか、そのノート、明希がこの前持ってたものじゃない。
なんであんたが持ってるのよ」
向けられる視線からノートを守るように、体を強張らせる。
「これはあなたには関係ない」
「無愛想な上に生意気」
ひどく冷たい声でそう呟いたかと思えば、突然ノートをひったくられた。