【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
彼が私だけを見てる。それだけで。
……ああ、なんで。
なんでこんなにも胸がいっぱいになってしまうの。
「やあ。昨日ぶり」
「どうして、ここに?」
つっかえそうになりながらようやく平静なトーンで声を紡げば、それとは対照的に涼やかな声が返ってくる。
「準備室から君が見えたから。
明日来るって言うから、俺、待ってたんだけどな」
「……っ」
私の動揺も他所に、明希ちゃんが当たり前のように隣に腰をかける。
「っていうか、それ弁当?
だいぶでかくない?」
「よく食べるとは言われます」
自分では普通だと思ってるけど。
「君の手作り?」
「はい」
「へー、俺にも食べさせてよ」
「えっ」
「君の手料理、だいぶ興味ある」
明希ちゃんが膝に頬杖をつき、いたずらげな笑みで私を見つめてきた。
……こういうところ、やっぱりずるい。
なんていうか、ぷ、ぷれいぼーいだ。
明希ちゃんにこんなふうに言われて、断れる女子なんているのだろうか。