【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。






人をかいくぐるように走って辿り着いたのは、旧校舎の空き教室。

人がいない場所と思ったら、旧校舎しか思い浮かばず、その上美術準備室に入るわけにもいかなかった。


教室の中に入り、それでもまだ遠くへ遠くへというように、おぼつかない足取りで奥へ進む──と、窓の前で足が止まる。


これから先には行けない。

これ以上はもう逃げられない。

……だって、これが現実なのだから。


頭がじわじわと状況を理解していけば、たかが外れたように込み上げた思いが溢れた。


「う、ああ……」


涙が止まらなくて、両手で顔を覆う。


絶望感に打ちひしがれ、もうズタズタだった。

明希ちゃんの心が、だれかのものになってしまった。

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