【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
グラウンドでは、同じ学年の違うクラスが体育の授業をしている。
1階の教室だから、グラウンドでサッカーをしている彼らの顔はよく見える。
だけどそこに、大の姿はない。
……サボってるのかな、きっとそうだ。
まったくしょうがないなぁ、大は。
大は、サッカーが小さい頃からうまい。
サッカーに限らず、生まれ持っての運動神経が抜群で、どんな種目も軽くこなしてしまう。
足に羽でも生えてるのではないかと思ってしまうほど軽やかな身のこなしでグラウンドを駆け回る大の姿は、いつだって最高にかっこよくて。
ここにいたら、絶対大活躍なのに。
私はグラウンドに、サッカーボールを自由自在に操り駆ける大の姿を思い浮かべ、目を細めた。
気づけば松田くんの現代語訳の発表は終わり、再び先生の渋い声が教室に響きわたっていた。