【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。

断る理由もなくて、私はスマホをブレザーのポケットから取り出した。


そして、ほとんどと言っていいほど利用していないメッセージアプリを起動し、QRコードを表示する。


すると同じくメッセージアプリを起動させていた明希ちゃんが、そのQRコードを読み取った。


「できた。
いつでも連絡して。なにかあったら飛んで行くから」


そう言って完成された笑みを口に乗せる明希ちゃんは、やっぱり大人っぽくて、キラキラしていて。

この笑顔に、一体何人の女の子がおとされたのだろうと、そんなことを考えてしまう。


「ありがとう」


そう言って、スマホを手元に引き戻そうとした、その時。


スマホを斜めにした拍子に、パサリ、と音を立てて一枚の紙が、私のスマホカバーの隙間から落ちた。


「ん、なにか落ちた」


そう言って、床に落ちたその紙──写真を拾ったのは、明希ちゃんだった。