【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
「四つ葉のクローバーなら、ミウが探してきてあげるよぉ」
「はは、ありがと」
眼前で繰り広げられる会話に、私は重箱を抱えたまま固まる。
『ありがと、ヒロ。宝物にする』
昨日そう言ったのに。
笑って、くれたじゃない。
全部うそ、だったの?
ぽいっとあまりにも呆気なく捨てられ、草むらに隠れてしまったクローバーは、緑に紛れて見当たらない。
気づけば、重箱を持つ指の先に力がこもっていて。
……ああ、やっぱり。
人のことなんて、信じなければよかった。
「──やっぱりな」
不意にぽつりとつぶやかれた声が聞こえてきて振り向けば、大がそこに立っていた。
「大……」