【完】今日も明日も、俺はキミを好きになる。
自分の心を守るので精いっぱいだった。
驚いたような困惑したような見たことのない明希ちゃんの表情から、ふいっとすぐに目をそらし、歩みを進める。
と、その時。
「着いたぞ」
前方から低い声が聞こえてきて、視線をあげれば、なぜか保育園に着いていたことに気づいた。
「保育園……?」
思いがけない目的地に、状況を理解できずにいると。
「あ〜〜! にぃに〜! コタくん〜!」
一際可愛らしいわたあめのような声が聞こえてきて、そちらに視線を向ければ、ひとりの小さな女の子がこちらに向かって園庭を駆けてきていることに気づいた。
「希紗」
明希ちゃんがしゃがみ込み、両手を広げると、希紗と呼ばれたその子は勢いよく明希ちゃんの胸に飛び込んだ。
「にぃにっ」
「お待たせ、希紗」
そして明希ちゃんはしゃがみ込んだまま、私の方へ向き直った。
「ヒロ、紹介するね。
俺の妹の希紗」
妹さん、だったのか。
たしかに言われてみれば、どことなく纏う雰囲気が似ているかもしれない。
そしてふたりとも美形だ。