君を想って
二度目の恋
僕は仕事にのめり込んだ。
仕事をしている間だけ僕は明希のことを忘れることができた。
週末はひとりでなにをしていいか分からず、部屋に閉じこもっていると明希を思い出すので近くの公園まで散歩に出かけるようになった。
そんな日々を続けていると気づけば春、いつものように朝から公園まで歩き、本でも読んで時間を潰そうと思っていると、公園には先着がいた。
見た感じ同い年ぐらいの女性だった。
広い公園ではないので向こうもすぐこちらに気づいたようだ。
僕はいつものように公園のベンチに座ると本を読み始めた。20分ぐらい本を読んでいると目の前から声がした。
「こんにちは。なんの本を読んでいるんですか?」
顔をあげると公園に先に来ていた女性が目の前に立っていた。
まさか声をかけられると思っていなかったので驚いてなにも言えずにいると、
「すみません。とても集中して本を読んでいたのでどんな本を読んでいるのか気になって」
と言った。
「少し驚いただけです。恋愛物の本を読んでいたんですよ」
僕はさっきの彼女に質問に答えた。
「どんな内容なんですか?」
「お互いが嫌いだった男女が最後には両想いになって結ばれるって内容だよ」
「いいですね。ハッピーエンド」
そう言って彼女は笑った。
笑った彼女の顔は明希に似ていた。
「うん。ハッピーエンドで終わる話が好きなんだ」
僕は明希を思い出して悲しくなった。
「私、中野遥って言います。今年から大学に通うために大学から近いこの辺に引っ越してきたんです」
「坂本誠一です。今年で二十歳なります」
「以外です。もっと年上かと思っていました」
「そんなに老けて見える?」
僕は苦笑しながら彼女にそう聞くと、
「あ、すみません。そんなつもりで言ったんじゃないんです」
と申しわけなさそうに言った。
「気にしないで、ちょっとからかっただけだから」
人見知りの僕が初対面の相手にそんなことを言えるのはたぶん彼女が明希に似ているからだ。
それから二人で昼まで会話をした。
今まで見てきた本の話や、自分の趣味の話で盛り上がった。
他愛もない話だったけど明希と会話をしているようでいつのまにか時間が過ぎていった。
別れ際、彼女は「誠一さんっておもしろいですね。よかったらまた来週会いましょう」そう言って公園を去っていった。
仕事をしている間だけ僕は明希のことを忘れることができた。
週末はひとりでなにをしていいか分からず、部屋に閉じこもっていると明希を思い出すので近くの公園まで散歩に出かけるようになった。
そんな日々を続けていると気づけば春、いつものように朝から公園まで歩き、本でも読んで時間を潰そうと思っていると、公園には先着がいた。
見た感じ同い年ぐらいの女性だった。
広い公園ではないので向こうもすぐこちらに気づいたようだ。
僕はいつものように公園のベンチに座ると本を読み始めた。20分ぐらい本を読んでいると目の前から声がした。
「こんにちは。なんの本を読んでいるんですか?」
顔をあげると公園に先に来ていた女性が目の前に立っていた。
まさか声をかけられると思っていなかったので驚いてなにも言えずにいると、
「すみません。とても集中して本を読んでいたのでどんな本を読んでいるのか気になって」
と言った。
「少し驚いただけです。恋愛物の本を読んでいたんですよ」
僕はさっきの彼女に質問に答えた。
「どんな内容なんですか?」
「お互いが嫌いだった男女が最後には両想いになって結ばれるって内容だよ」
「いいですね。ハッピーエンド」
そう言って彼女は笑った。
笑った彼女の顔は明希に似ていた。
「うん。ハッピーエンドで終わる話が好きなんだ」
僕は明希を思い出して悲しくなった。
「私、中野遥って言います。今年から大学に通うために大学から近いこの辺に引っ越してきたんです」
「坂本誠一です。今年で二十歳なります」
「以外です。もっと年上かと思っていました」
「そんなに老けて見える?」
僕は苦笑しながら彼女にそう聞くと、
「あ、すみません。そんなつもりで言ったんじゃないんです」
と申しわけなさそうに言った。
「気にしないで、ちょっとからかっただけだから」
人見知りの僕が初対面の相手にそんなことを言えるのはたぶん彼女が明希に似ているからだ。
それから二人で昼まで会話をした。
今まで見てきた本の話や、自分の趣味の話で盛り上がった。
他愛もない話だったけど明希と会話をしているようでいつのまにか時間が過ぎていった。
別れ際、彼女は「誠一さんっておもしろいですね。よかったらまた来週会いましょう」そう言って公園を去っていった。