俺のトナリ
おまけ 里奈side
宇野 真也(まさや)
多田高校 3年 バスケ部主将。
彼はいつも、私と反対側の扉の前に立っている。
彼を初めて見たのは去年。中学3年生の時。当時、バスケ部だった私はよく、試合を見に行ってた。他の試合を見ると、自分にはない技や動きは勉強になるし、自分や相手の弱点も見えてくる。
そんな中で、先輩は一際輝いていた。
当時、名前もわからなかった先輩のことをずっと忘れられなかった。
高校では、バスケ部ではなく、マネージャーを選んだ。電車での登下校を考えると、がっつり部活をするのは難しい。
彼に再会したのは電車の中。
まさか、あのときの人に会えるなんて。
うれしくて、なんとなく気恥ずかしくて窓の外を眺める振りをして、窓に写る先輩を見てた。
先輩の学校とも何度か練習試合をしてる。
私は彼に会えることがうれしかったけれど、彼は全く気づいてないようだった。
でも、それほどまでに真剣に、汗を流す姿はとても素敵で。
私は想いを募らせていった。