白雪姫 ~another story~
結姫の家に着くと結姫のご両親が快く迎えてくれた。
「みんな待ってたわよ、さあどうぞ」
「おじゃまします」
そう言って俺たちは仏壇の前に座ると色々なことを結姫に報告した。
そして俺たちは持ち寄った食べ物を食べながら世間話や最近の出来事で盛り上がっていた。
そんな感じでみんなでワイワイしていると、突然良子が
「そういえばこの前、結姫に読み聞かせをしてもらっていたって言う子から手紙をもらった」
と嬉しそうに言った。
すると
「俺は俺たちと遊んだって言う女の子と会ったぜ」
と自慢げに大輝が言った。
「私も病院で会ったよ」
「僕の生徒にもいた」
とつぼみや昴も少し驚いた様子で言った。
「私は結姫のことを知ってるっていう保護者さんに会った」
「私は今度撮る映画の監督が結姫のこと知ってた」
と愛梨や凛子が言った。
「私は結姫に憧れて、いつも病院で本を読んでる女の子の彼氏に会った」
とみさとが言った。
奇跡だと思った。
「柊馬は?」
とみんなが俺の方を見る。
「俺は結姫と同じように子どもたちに絵本を読んでる女の子を見た」
と俺が言うとみさとが
「それってもしかしたら私が会った男の子の彼女さんかも!」
とさらに驚いたように言った。
「あ、私ね...今度、結姫を演じることになったの」
と凛子は小さな声で言った。
「どういうこと?」
「監督が結姫のこと知ってたって言ったでしょ?それでその監督が結姫のこともっと知ってもらいたいって...」
と嬉しそうにでも少し不安そうな顔て言った。
「うそ...」
「結姫のことをこんなに覚えてくれてる人がたくさんいたなんて...」
「嬉しい...」
「うん...」
「奇跡だ...」
「夢みたい...」
みんなが呟いた。
みんなは笑っていた。
しかしその目には涙がたまっていた。
「結姫...」
思わず涙がこぼれる。
するとみんなの目から涙が落ちた。