白雪姫 ~another story~

ねぼすけ ~愛梨side ~


結姫が天国へ旅立ったあの日から10年もの月日が流れた。

あの日、私は泣くことしかできなかった。

死ぬということがとても怖くなった。

大事な人を失うことの辛さを知った。

その日から人と関わるのが怖くなった。

もう大事な人をなくすのはいやだと思ったから。

でも結姫からの手紙を読んで私は死から、大切な人から逃げるのはやめようと決めた。


それから私は保育士を目指した。

理由は子どもが好きだから。

でもそれだけではなく、結姫のおかげで子どもたちと関わることの楽しさを知ったから。


そして私は5年前から地元の保育園で働いている。

子どもたちと過ごすのはとても楽しい。

けれど遅い時間までの労働や保護者さんとの関わりがなどがつらく思える時がある。

それでもみんなと過ごした日々を思い出すとなぜか笑顔になれた。

だから私は今日も元気に働いている。
< 9 / 22 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop