4月6日に君と僕の
キーンコーンカーンコーン…


















校舎中に鳴り響く始業式が始まるチャイム。


















僕は、クラスの順番中に並んで眠いなぁと思いながら、俯いた時だった。




















クシャ…



















後ろから急に髪を触られ、僕は驚いて振り向いた。


















「…誰です…か」


















僕の後ろに並んでいた女の人はショートカットの茶髪で、顔は整っていて、モデル並みなスタイルをしていた。


















制服の着こなしも彼女が着ると、他の女の人より全然似合って見えた。



















女の人は自分の片方の髪を耳にかけながら、俺に頭を下げた。




















「ご、ごめん!髪に何かついてたから、とってあげたくなっちゃって」


















高い声だけど、どこか澄んでいる声。


















「あ、全然。こっちこそごめん」


















「え、なんもしてないよ?朔くんは。ね?」


















え…?


















「なんで僕の名前…」


















「今日からクラスメートだもん!覚えてるよ?」

















すげーな。


















僕は彼女の名前すら知らないのに。




















「僕はあたしの名前知らない…とか、もしかして思った?」


















彼女にそう言われ、僕は図星だった。


















「やっぱりね!朔くん、分かりやすい!」


















「え、あ、なんかごめん」



















「なんで?!今日初めてなんだし、しょうがないよ?」


















彼女はそう言って、笑った。



















「あたしの名前は音宮未海。よろしくね!」


















「よろしく」




















そんな会話をしているとき、僕は皆の視線が僕たちになっていることに気が付いて、僕は慌てて前を向いた。


















この学校は9割が男。



















ってことは、女子と話していると目立つし、音宮さんとも話していると恨まれるかもしれない。


















あんまり関わるのはやめておこう。
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