4月6日に君と僕の
そう思ったはずなんだけど…






















何これ。


















「朔くん!あたしたち前後の席だね!よろしくね!」
















音宮さんが振り向きながら僕に言う。

















「…よろしく」



















始業式が終わった後の学活。

















あまり関わらないでおこうとさっき決めたばかりなのに、こんなの話してしまうかもしれない。

















40人の生徒の中で女子が音宮さんともう一人だけという僕らのクラス。




















周りの男たちは、女子を見てひそひそ話している。


















きっと、彼女を作りたいからだろう。


















あんな過去が僕にもなかったのなら、今頃彼女が欲しいと思っていたんだろうけど、あの過去があるから僕は女子と関わりたいなんてあまり思わない。


















たとえ、音宮さんでも。




















恋愛とか友情とか、そんな薄いものは僕は適当に絡むだけ。




















それだけでいい。


















裏切られたとき、信じて多分まで傷つくのは自分なんだから。






























「朔くん?目が怖くなってるよ…?どうしたの?」































「…あー。別になんも」




































「あまり無理はしないでね?」




































どこまで優しい人なんだろう。




































音宮さんを見ていると一番大切だったあの人を思い出す。


































今はいないから、何を思ってもあの人には会えないけど。








































そんないつもと変わらない日だった。
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