ぷりけつヒーロー 尻は地球を救う 第3話
「ぷりけつソード!装着!!」
凜太郎の声に反応し、右手に剣が現れる。凜太郎はそれを強く握り締め、構えた。ジョーカーは予想外の展開に動揺した。
「な、なによその武器!そんなのデータになかったはず……!」
「これが俺の新武器。その名も"ぷりけつソード"だ!!」
「だっさ……」
ジョーカーは吐き捨てるように言った。
「み、見た目とネーミングはたしかにいまいちだけど、斬れ味は凄いんだ!今それを証明してやる!!」
猛然とジョーカーに立ち向かっていく凜太郎。そして、剣をジョーカーに向かって振り下ろした。それを軽快な身のこなしで避けるジョーカー。
「おっと、危ない危ない」
「かわされた!?」
ジョーカーは不敵な笑みを浮かべた。
「だっさいけど、たしかに君の言う通り斬れ味は凄そうね。でも、どんなに斬れ味が凄い剣でもかわしちゃえば意味ないんだけどねぇ。ということで、今度は私の番かな」
ジョーカーは空高く飛び上がると自身の脚を大きく広げ、そのむっちりとした太腿で凜太郎の顔を挟み、固定すると力いっぱいに絞めはじめた。ジョーカーのパンティが凜太郎の鼻にくい込み、ツンとした匂いが鼻孔を刺激する。
「私の太腿、ムチムチしてて柔らかいでしょ?私ね、脚力には自信があるの。私の一番いやらしい部分の匂いも嗅げて、君にとってはご褒美になっちゃったかな?このまま窒息死させてあげてもいいよ」
妖艶な笑みを浮かべるジョーカー。凜太郎はジョーカーのパンティで口を塞がれ、上手く喋ることができない。
「そんな暴れられたらこすれちゃって、変な気持ちになっちゃうよ。ねぇ、君。"フランケンシュタイナー"って技、知ってる?あれってね、実際されると物凄く痛いらしいんだよねぇ。君、やられてみたくない?まぁ、"嫌だ"って言われてもやっちゃうんだけどね」
ジョーカーは太腿に凜太郎の顔を挟んだまま後方へと身体を回転させ、そのまま凜太郎の頭部を渾身の力で地面へと叩きつけた。思わず右手から剣を離してしまう凜太郎。轟音と強い揺れが辺り一帯を襲い、倒れた凜太郎の下敷きとなった建物がその重みで潰れる。
「からの~」
ジョーカーは素早い動きで凜太郎の右腕の上腕部を自身の両脚で挟み、固定すると肘関節を逆に伸ばしはじめた。
「腕挫十字固~」
反射的に残った右手を使ってタップする凜太郎。柔らかな太腿と胸の感触が腕から伝わってくるが、それを味わう余裕は今の凜太郎にはなかった。声にならない悲鳴を上げる。
「いい声で鳴くね、ゾクゾクしちゃう。でも、残念だけどギブはなしだよ。少しずつ力加えて、君の右腕を使い物にならなくしちゃうんだから。そしたら、君はもう剣も使えなくなって勝ち目なしってわけ。私ってばあったまいい~」
嬉々とした表情を浮かべるジョーカー。凜太郎の肘が小さな音を立てて、悲鳴を上げる。
「ボインとデカシリを倒したくらいで調子に乗ってるからこんな目に遭うんだよ。あいつらは所詮一兵卒いっぺいそつ。上には上がいるのよ。それを身をもって教えてあげる」
焦じらすように力を徐々に加えていくジョーカー。凜太郎の右腕はもう限界に近かった。その時、凜太郎はある決断をした。
――この状況から抜け出すには、もうこれしか、ない……!
凜太郎は尻に力を溜めはじめた。
「これでとどめよ!!折れちゃえー!」
ジョーカーが渾身の力を込めようとした、その時、凜太郎は叫んだ。
「ぷりけつビィーム!!」
爆発音と共に二人の身体が天高く打ち上げられ、バランスを崩す。その隙を突き、凜太郎はジョーカーを蹴り飛ばして危機一髪抜け出すことに成功した。蹴り飛ばした反動で二人の距離は離れ、二人は背中を地面に強く打ちつけられる。再び辺りを轟音と強い揺れが襲った。地面には底が見えないほど巨大な穴が空いていた。痛みで顔を歪めながら、ゆっくり起き上がるジョーカー。凜太郎も痛みに耐え、なんとか立ち上がると右腕が動くことを確認した後、素早く剣を拾った。
「いったぁ~い!!せっかくの可愛い制服が汚れちゃったじゃない!お気に入りだったのに~!!もう最悪。どうしてくれんのよ!」
「見たか!これがぷりけつビームだ!!お前こそ、簡単に勝てると思ったら大間違いだ。こんな痛み、稽古でコウさんから受けた攻撃に比べればどうってことない!!」
ジョーカーは悔しげに凜太郎を睨みつけた。凜太郎も負けじと睨み返し、剣を構える。
「最初ボインとデカシリがやられたと聞いた時、正直まぐれだと思ってた。けど、今ならはっきり分かる。君がボインとデカシリを倒したのはまぐれなんかじゃない。君は将来、私たちにとって脅威の存在となる。だから、ここで私が本気で、全力で君をぶっ潰してあげる!」
「やれるもんなら、やってみろ!!」
二人は駆け寄り、その距離が徐々に縮まっていく。
その時、ジョーカーは再度空高く飛び上がった。
「うりゃ!!」
ジョーカーの全力のドロップキックが炸裂する。だが、凜太郎はそれを瞬時に両腕でガードした。衝撃で後方に吹き飛ばされる。ジョーカーはその隙に素早く起き上がり、凜太郎へと向かって駆け出す。
「まだまだぁ~!!」
ジョーカーの右足による激しい連続蹴りが凜太郎を襲う。中段蹴りから上段蹴りを交互に高速で行い、その速さは1秒間に2発。明らかにさっきまでのジョーカーとは動きがまるで違った。必死にガードし、防戦一方の凜太郎。
「守ってるだけじゃ勝てないよ~。ヒーローくん」
余裕の笑みを浮かべるジョーカー。
「くっ……!」
凜太郎はジョーカーの強さを身をもって感じ取っていた。
――こいつ、本当にボインやデカシリとは比べものにならないほど、強い……!
「ボケーっとしてると足元すくわれるよ。こんな風に、ね!」
不意にジョーカーはその場で素早く屈むと、凜太郎の足首をめがけて回し蹴りを放った。
「あぶ――」
間一髪のところで天高く飛び上がり、それをかわす凜太郎。
「嘘!?」
「隙ありぃー!!」
凜太郎は剣を大きく振りかぶり、ジョーカーめがけて渾身のジャンプ斬りを放った。太陽の光が凜太郎の剣の刃に当たり、それが反射光となってジョーカーの目を襲って眩ます。
「まぶしッ――」
一瞬反応が遅れたジョーカーは辛うじて後方へ避けるも避けきれずに右腕を失う。悲痛な悲鳴を上げ、その場で倒れるジョーカー。右腕の切断面を左手で押さえ、悶え苦しむ。切断面からはとめどなく血が溢れ、流れ出ている。着地に成功した凜太郎はゆっくりジョーカーへと歩み寄った。
「これで、終わりだ!!」
凜太郎はジョーカーにとどめを刺すべく、剣を両手で握り締めた。そして、その刃がジョーカーの心臓を突き刺そうとした時だった。
「待って!!」
ジョーカーが叫んだ。凜太郎の動きが止まる。
「お願い……!殺さないで。もう地球へは来ないって約束するから。君の邪魔はしないって約束するから。だから、殺さないで……」
「お前が約束を守るって保証がどこにもないだろう」
「私、私ね!お父さんとお母さんがいないの。子どもの頃に殺されちゃって……。私ずっと一人だった。だから、強くならなきゃって、一人でも生きていけるように強くならなきゃって思って必死に訓練を積んできたの」
凜太郎はジョーカーの言葉に耳を傾けている。ジョーカーは目に涙を溜めながら語り続ける。
「そんな私にも大切な友だちができたの。きっと今も私の帰りを待ってる。だから、今私が死ぬわけにはいかないの!お願い!見逃して!!自分が恥ずかしいこと言ってるのは分かってる!でも……死にたくないの!!」
短く、重い沈黙が二人の間に流れる。
「ぷりけつソード、解除」
凜太郎が呟くようにそう言うと、剣は光の粒となって消えた。ジョーカーに背を向ける凜太郎。
「戦意のない者を俺は殺せない。もう二度と地球へは来るな。次来た時は容赦しない」
凜太郎の声に反応し、右手に剣が現れる。凜太郎はそれを強く握り締め、構えた。ジョーカーは予想外の展開に動揺した。
「な、なによその武器!そんなのデータになかったはず……!」
「これが俺の新武器。その名も"ぷりけつソード"だ!!」
「だっさ……」
ジョーカーは吐き捨てるように言った。
「み、見た目とネーミングはたしかにいまいちだけど、斬れ味は凄いんだ!今それを証明してやる!!」
猛然とジョーカーに立ち向かっていく凜太郎。そして、剣をジョーカーに向かって振り下ろした。それを軽快な身のこなしで避けるジョーカー。
「おっと、危ない危ない」
「かわされた!?」
ジョーカーは不敵な笑みを浮かべた。
「だっさいけど、たしかに君の言う通り斬れ味は凄そうね。でも、どんなに斬れ味が凄い剣でもかわしちゃえば意味ないんだけどねぇ。ということで、今度は私の番かな」
ジョーカーは空高く飛び上がると自身の脚を大きく広げ、そのむっちりとした太腿で凜太郎の顔を挟み、固定すると力いっぱいに絞めはじめた。ジョーカーのパンティが凜太郎の鼻にくい込み、ツンとした匂いが鼻孔を刺激する。
「私の太腿、ムチムチしてて柔らかいでしょ?私ね、脚力には自信があるの。私の一番いやらしい部分の匂いも嗅げて、君にとってはご褒美になっちゃったかな?このまま窒息死させてあげてもいいよ」
妖艶な笑みを浮かべるジョーカー。凜太郎はジョーカーのパンティで口を塞がれ、上手く喋ることができない。
「そんな暴れられたらこすれちゃって、変な気持ちになっちゃうよ。ねぇ、君。"フランケンシュタイナー"って技、知ってる?あれってね、実際されると物凄く痛いらしいんだよねぇ。君、やられてみたくない?まぁ、"嫌だ"って言われてもやっちゃうんだけどね」
ジョーカーは太腿に凜太郎の顔を挟んだまま後方へと身体を回転させ、そのまま凜太郎の頭部を渾身の力で地面へと叩きつけた。思わず右手から剣を離してしまう凜太郎。轟音と強い揺れが辺り一帯を襲い、倒れた凜太郎の下敷きとなった建物がその重みで潰れる。
「からの~」
ジョーカーは素早い動きで凜太郎の右腕の上腕部を自身の両脚で挟み、固定すると肘関節を逆に伸ばしはじめた。
「腕挫十字固~」
反射的に残った右手を使ってタップする凜太郎。柔らかな太腿と胸の感触が腕から伝わってくるが、それを味わう余裕は今の凜太郎にはなかった。声にならない悲鳴を上げる。
「いい声で鳴くね、ゾクゾクしちゃう。でも、残念だけどギブはなしだよ。少しずつ力加えて、君の右腕を使い物にならなくしちゃうんだから。そしたら、君はもう剣も使えなくなって勝ち目なしってわけ。私ってばあったまいい~」
嬉々とした表情を浮かべるジョーカー。凜太郎の肘が小さな音を立てて、悲鳴を上げる。
「ボインとデカシリを倒したくらいで調子に乗ってるからこんな目に遭うんだよ。あいつらは所詮一兵卒いっぺいそつ。上には上がいるのよ。それを身をもって教えてあげる」
焦じらすように力を徐々に加えていくジョーカー。凜太郎の右腕はもう限界に近かった。その時、凜太郎はある決断をした。
――この状況から抜け出すには、もうこれしか、ない……!
凜太郎は尻に力を溜めはじめた。
「これでとどめよ!!折れちゃえー!」
ジョーカーが渾身の力を込めようとした、その時、凜太郎は叫んだ。
「ぷりけつビィーム!!」
爆発音と共に二人の身体が天高く打ち上げられ、バランスを崩す。その隙を突き、凜太郎はジョーカーを蹴り飛ばして危機一髪抜け出すことに成功した。蹴り飛ばした反動で二人の距離は離れ、二人は背中を地面に強く打ちつけられる。再び辺りを轟音と強い揺れが襲った。地面には底が見えないほど巨大な穴が空いていた。痛みで顔を歪めながら、ゆっくり起き上がるジョーカー。凜太郎も痛みに耐え、なんとか立ち上がると右腕が動くことを確認した後、素早く剣を拾った。
「いったぁ~い!!せっかくの可愛い制服が汚れちゃったじゃない!お気に入りだったのに~!!もう最悪。どうしてくれんのよ!」
「見たか!これがぷりけつビームだ!!お前こそ、簡単に勝てると思ったら大間違いだ。こんな痛み、稽古でコウさんから受けた攻撃に比べればどうってことない!!」
ジョーカーは悔しげに凜太郎を睨みつけた。凜太郎も負けじと睨み返し、剣を構える。
「最初ボインとデカシリがやられたと聞いた時、正直まぐれだと思ってた。けど、今ならはっきり分かる。君がボインとデカシリを倒したのはまぐれなんかじゃない。君は将来、私たちにとって脅威の存在となる。だから、ここで私が本気で、全力で君をぶっ潰してあげる!」
「やれるもんなら、やってみろ!!」
二人は駆け寄り、その距離が徐々に縮まっていく。
その時、ジョーカーは再度空高く飛び上がった。
「うりゃ!!」
ジョーカーの全力のドロップキックが炸裂する。だが、凜太郎はそれを瞬時に両腕でガードした。衝撃で後方に吹き飛ばされる。ジョーカーはその隙に素早く起き上がり、凜太郎へと向かって駆け出す。
「まだまだぁ~!!」
ジョーカーの右足による激しい連続蹴りが凜太郎を襲う。中段蹴りから上段蹴りを交互に高速で行い、その速さは1秒間に2発。明らかにさっきまでのジョーカーとは動きがまるで違った。必死にガードし、防戦一方の凜太郎。
「守ってるだけじゃ勝てないよ~。ヒーローくん」
余裕の笑みを浮かべるジョーカー。
「くっ……!」
凜太郎はジョーカーの強さを身をもって感じ取っていた。
――こいつ、本当にボインやデカシリとは比べものにならないほど、強い……!
「ボケーっとしてると足元すくわれるよ。こんな風に、ね!」
不意にジョーカーはその場で素早く屈むと、凜太郎の足首をめがけて回し蹴りを放った。
「あぶ――」
間一髪のところで天高く飛び上がり、それをかわす凜太郎。
「嘘!?」
「隙ありぃー!!」
凜太郎は剣を大きく振りかぶり、ジョーカーめがけて渾身のジャンプ斬りを放った。太陽の光が凜太郎の剣の刃に当たり、それが反射光となってジョーカーの目を襲って眩ます。
「まぶしッ――」
一瞬反応が遅れたジョーカーは辛うじて後方へ避けるも避けきれずに右腕を失う。悲痛な悲鳴を上げ、その場で倒れるジョーカー。右腕の切断面を左手で押さえ、悶え苦しむ。切断面からはとめどなく血が溢れ、流れ出ている。着地に成功した凜太郎はゆっくりジョーカーへと歩み寄った。
「これで、終わりだ!!」
凜太郎はジョーカーにとどめを刺すべく、剣を両手で握り締めた。そして、その刃がジョーカーの心臓を突き刺そうとした時だった。
「待って!!」
ジョーカーが叫んだ。凜太郎の動きが止まる。
「お願い……!殺さないで。もう地球へは来ないって約束するから。君の邪魔はしないって約束するから。だから、殺さないで……」
「お前が約束を守るって保証がどこにもないだろう」
「私、私ね!お父さんとお母さんがいないの。子どもの頃に殺されちゃって……。私ずっと一人だった。だから、強くならなきゃって、一人でも生きていけるように強くならなきゃって思って必死に訓練を積んできたの」
凜太郎はジョーカーの言葉に耳を傾けている。ジョーカーは目に涙を溜めながら語り続ける。
「そんな私にも大切な友だちができたの。きっと今も私の帰りを待ってる。だから、今私が死ぬわけにはいかないの!お願い!見逃して!!自分が恥ずかしいこと言ってるのは分かってる!でも……死にたくないの!!」
短く、重い沈黙が二人の間に流れる。
「ぷりけつソード、解除」
凜太郎が呟くようにそう言うと、剣は光の粒となって消えた。ジョーカーに背を向ける凜太郎。
「戦意のない者を俺は殺せない。もう二度と地球へは来るな。次来た時は容赦しない」