マリッジコンプレックス
私の勢いに押されてしばらく固まっていた秋絵さんは、それでもその顔をクシャッと崩した。




「いいね?それ」




ポンと私の肩を叩きながら、不敵な笑みを見せる。




「やっぱ、振り回されてばっかじゃ女がすたるもんね?」




「そうですよ!

守ってばっかじゃなくて、攻めましょうよ」




「よし、じゃあ狩りに行きますか?」




「そうこなくっちゃ!」




重い扉を二人で押し開けながら、私は少しだけ気が楽になった気がしてた。


いつまでも報われない恋をしてる場合じゃない。


新しい恋に向かって走り出さなきゃ。


年齢も年齢だから、それこそ駆け足で。

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