マリッジコンプレックス
負のスパイラル
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ーーーー!!」
頭を抱えながらそう叫ぶ私を面白そうに眺めていた秋絵さんが、ついにプッと吹き出した。
「ちょっと希美!いくらなんでもへこみすぎだってば!」
ちょうど昼休み。
食堂に向かういつもの非常階段。
誰もいない空間でしかこんな話出来やしない。
「だって!秋絵さんにあんなこと言っといて、まんまとあいつと遊びに行っちゃったかと思うと、ほんと情けなくて!」
そう、この間のマッチングされた人との待ち合わせの日。
偶然現れた塁にお見合いをダメにされただけならまだしも、そのあとあいつに乗せられて2人で遊びに行ってしまったのだ。
だから会いたくなかったのに!
「だーかーらー、何度も言ってるけど、希美は不倫じゃないんだから、別にいーじゃない?遊びに行ったって。しかも、まだ好きなんでしょう?」
そうだけど!そうなんだけど!でも!ねぇ?
「だってあいつ、結婚どころか付き合う気もないんですよ?ただの遊び友達をずーっと好きでいるとか、完璧婚期逃すじゃないですか!すでに逃してるっていうのにぃ!」