マリッジコンプレックス
「それ!ほんとそうですよね?男は40歳くらいでもまだまだいけるって感じなのに、なんで女ばっかりこんな思いしなきゃなんないんだろうって。でもまあ、子供のことがあるからなんでしょうけど、それでも不公平ですよねぇ」
お見合いパーティや結婚相談所に行ってみてはっきりわかったこと。
もう28歳という年齢はすでに婚期を逃してるんだという事実。
好きな相手はいるのに実らない恋。
子供を作れって言う割に整わない環境は、この先もっと厳しくなるんだろう。
塁は結婚したくないから私の気持ちを受け入れないんだろうか?
それとも結婚うんぬん抜きにして、私が単に恋愛対象じゃないってことなのかな?
あーもう!モヤモヤするぅ!
「秋絵さん!」
「え、なに?どした?」
急に大声で名前を呼ばれた秋絵さんは、目をぱちぱちさせてる。
「私、決めました!」
「え?うん、なにを?」
「もう一度、塁に気持ち伝えてみます!今度は伝えるだけじゃなくて、なんで私じゃダメなのかとか結婚しなくていいなら付き合ってくれる気はあるのかとか、全部聞いてそれで……」
そこでいったん言葉を切って、思い切り息を吸い込む。
「それでダメなら今度こそちゃんと諦めます!」
相葉希美、28歳。
この日、3度目の告白を決意した。