マリッジコンプレックス
3度目の告白


だから!なんでこうなっちゃうのぉぉぉ!


もう一度、塁に気持ちを伝えて、それでダメならきっぱり諦めるって決心したのにぃぃ!


「おい、希美、始まるぞ!お前真剣に応援しろって」


いや、だから!そうじゃなくってぇぇぇ!


「こら、せっかくお前が喜ぶと思って連 れてきてやったんだぞ?そんな仏頂面すんなって」


私の隣でオレンジ色のメガホンを持ちながら明らかに不満げな顔を見せた塁に、私はキッと睨みつけながら言ってやった。


「私、話があるから会いたいって言わなかったっけ?」


そう、数日前、私は塁に話したいことがあるからと呼び出したのだ。

秋絵さんに宣言した手前、もう引っ込みもつかなかったのもあるけど、私は私なりにケジメをつけようとしてるわけで。


なのに会った途端また塁のペースで、いつもの場所に連れてこられていた。


「話ならここでも出来るし、試合終わってからいくらでも聞いてやるから!
希美と会うならって苦労して今日のチケット手に入れたんだぜ?な、楽しもう?」


いや、まあそれは嬉しいよ?嬉しいけどさぁ。


シーズンも終盤にさしかかってる試合のチケット。


しかも優勝がかかってるとなれば確かにかなりレアなわけで、私のためにって言われるとそれはそれで嬉しいけど。


結局私はいつも塁のペースに乗せられたままだ。


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