初恋



いつから分かってた?



何かを言おうとしてたことはあった?



様子がおかしかったことはあった?



初恋の詩。

付け加えた最後の一節。



不可抗力で離れ離れになってしまう男女。



あの日、図書室で泣いたのは。



なんで、気づけなかった?



気づいたところで

「俺に出来ることはあった…?」



思わず声が出た。



早歩きだった足が、急に緩む。



自信なんてない。



昨日の雨は上がり、今にも虹がかかりそうな、キラキラした空が少しだけ憎たらしく思えてきた。



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