初恋
花実は明日、どこに行ってしまうのか。
どうして教えてくれなかったのか。
貸してる本の感想と借りた本の感想も、いつもみたいに交換出来ていない。
どういう気持ちであの初恋の詩に最後の一節をつけ加えたのか。
どうしてその時その話をしたのか。
どうしてあの日、キスをしたのか。
言いたいことはたくさんあったはずだった。
自信のなさがそれを全て飲み込んでしまったようだ。
悔しくてたまらない。
もどかしくてたまらない。
こんな感情、今までになかった。
約束出来たことがものすごく嬉しかった反面、明日が来るのが凄く怖かった。