初恋




堀宮花実(ほりみやはなみ)





優よりも1つ年上で、この時は小学6年生だった。





眉より少しだけ上で綺麗に切られている前髪が特徴的で、花実と話をするときはいつも前髪を見つめながら聞いていた。




聞けば、親の離婚で隣町から引っ越してきたという。





小学校卒業まであと1ヶ月だったため、親の車での送迎ありきで転校は免れたと喜んでいた。





ただ、大好きだった図書館に行くには小学生の足では難しいことを強く強く悔やんでいた。





土手に座り、本を交換する。





お互い借りた本を読む日もあれば、一文字も読まずに話し込んでしまう日もあった。




会う度に本は開くだけの日が増えていっていることに、お互い気付いていたが、決してそれを口にすることはなかった。






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