【完】真昼の太陽

「おい無視するな。」


「あんたに名乗る名前なんてない。」


「なっ!?
 ここは俺らの管轄だ。聞く権利がある。」


「管轄って。そういうの警察の役目でしょ。」


「サツなんかあてになるかっつうの。
 ここは俺の縄張りだ。あいつらなんかに任せられるか。」


「……なにいってんの、チビ。」


俺の管轄とか。
バカなの、こいつ。
繁華街が俺のものとか。
小学生でも言わないわよそんなこと。


中二病こじらせてるわけ?
痛すぎ。
っていうか、中学生?
チビだし、礼儀なってないし。
ありえないんだけど。
私こんな奴に助けられたわけ。


「チビじゃねえし!これから伸びる予定だし!これが助けたやったやつにする態度かよ……。いいからサツの世話になりたくねえなら言え。」


「……今井真昼。」


こんな奴に自分の名前なんて言いたくないけど。
警察なんか行かれたら施設まで連絡がいってしまう。
迷惑なんてかけたくない。
放っておいてくれればいいのに。


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