【完】真昼の太陽
強姦未遂とか、犯人逮捕とか。どうでもいい。
強姦致死でも良かったくらいなのに。
助けた、なんて。
恩着せがましい事言われるのだけは嫌だ。
勝手に助けた癖に。
偉そうにしないでほしい。
助けてもらわなくったって良かった。
放っておいてくれればよかったのに。
「真昼か。お前これからここ来るんじゃねえぞ。」
「あんたに関係ないでしょ。」
「関係あるから言ってんだろ!こんな時間に女ひとりで繁華街歩きやがって。こういうこと起きるって予想できなかったのかよ。」
「別に。」
「危ないんだからもっと自分の心配しろよ。」
「うるさい。」
かけられた上着を押しつけて。
私は路地裏を後にする。
呼び止める声が聞こえるけど全部無視して帰っていく。
ほんと、最悪。
なんなの一体。
強姦されそうになるわ。
変な奴に助けられて説教されるわ。
最悪な1日。
それにあの髪色。
太陽みたいで、すごく嫌い。