【完】真昼の太陽
「先月の里親候補の人たちも、資料を見ずに却下しちゃってて。」


「本当、どうしようかしらね。」


「施設は一応高校生までですからあと2年あるんですが、引き取り手が決まる気配が一向になくて。」


「真昼ちゃんがあれじゃあね……。
 高校生を引き取るなんて言う人なかなかいないのに。」


「このまま決まらなかったらどうしましょう。」


「一言、行くって言ってくれたらいいのに。こっちも気を遣わなくちゃいけなくて大変よ。」


「帰りも遅いみたいですし。何か悪いことでもしてるんじゃ。」


「施設の評判が落ちる事だけはしないでほしいわ。」


「とりあえず、どこか引き取り手探します。」


「そうね。早く決まってくれればいいんだけど。」


踵を返して、自室へと戻る。
そしてそのまま毛布にくるまった。


……なんで涙が出てくるんだろう。
分かってた事じゃない。
自分が邪魔者扱いされてることぐらい。
受け入れられてないことぐらい、そんなの分かってた。
居場所がないなんて。最初からじゃない。


里親を断るのは。
家族なんてものが大嫌いだからだ。



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