【完】真昼の太陽
「今井真昼!ちょっとこっち来い。」
「はっ?ちょっとっ。」
なにこいつストーカー!?
考える暇も逃げる暇もなく。
手首を掴まれて強引に連れ去られていく。
突っぱねようにも意外にも握る力は強くて。
どれだけ振りほどこうとしても出来なかった。
なんなの、一体。
そうして連れてこられたのは屋上で。
立ち入り禁止のそこへのカギはなぜかこいつが持っていて。
禁断の入り口は。
いとも簡単に開いてしまった。
迷うことなく足を進めていく。
私も躊躇しながら足を進めると。
想像していた屋上とは少し違っていて。
ソファーに冷蔵庫。
本棚にテーブル。
まるで部屋みたいな空間があった。
「お前の事、少し調べさせてもらった。
今井養護施設で暮らしているらしいな。」
「……なんで知ってんの?」
調べたって、なに?
それプライバシーの侵害じゃない?
法犯してない?
頭おっかしいんじゃないの。
「親の事も調べさせてもらった。」