【完】真昼の太陽

沸騰したように身体が熱い。
頭に血が昇っていくのが分かった。


「あんた、なんなの?
 なにがしたいわけ?」


勝手に親の事まで調べられて。
一体私がこいつになにしたっていうのよ。


「俺はお前が好きだ。」


「……は?」


「お前、俺の女になれ。」


そう堂々と言い放ったこいつに。
私はとうとうブチ切れた。


「あんたなんか大っ嫌いだ!」


人の許可も得ずに勝手に調べて。
それを悪びれもなく話す。
こいつの神経が理解できない。
人をいらいらさせる天才でしょ、こいつ。
誰があんたなんかの女になるっていうのよ。


「っていうかあんただれ?普通自分の名前くらい名乗るでしょ?バカなの?」


そういうとこいつは目を丸くさせて驚いた。
なによ、変なこと一つも言ってないでしょうが。


「お前、俺の事知らないの?」


「知るわけないでしょ、自意識過剰なのもいい加減にしてよ。」



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