【完】真昼の太陽

「で、真昼。俺の女になる気になったか?」


「今の話の中のどこにその要素があるのよ。」


「御影組の次期長の女だぞ?」


「その御影組がすごいものなのかなんなのかは知らないけど。私はあんたが嫌い。だからあんたの女になる気はない。」


「……ますますいいな、真昼。」


こいつの思考回路だけは理解できる気がしない。
断られてるのにいいな、って。


マゾなの?
気持ち悪い。


まともに会話ができないと判断して。
私は足早に屋上を後にした。
呼び止められる声も無視して。
私は教室へ戻った。


教室に戻ればみんなの視線を感じた。
その目は好奇心の塊で。
ひどく不快だった。


「今井さんって御影様となにかあるの?」


「言い寄ったとかそういう感じ?」


「御影様直々にお声をかけるなんてめったなことではないわよ。」


「なんなの、あの子。」


その声は筒抜けで、私の耳まで届いた。
届くように話しているのかもしれない。


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