【完】真昼の太陽

終礼が終わって誰よりも先に学校を出てきたのに。
なんでこいつがここにいるのよ。


「真昼、走るの早いな。」


「なんなの!」


「ここ立ち入り禁止だって言ったろ?
 早く家に帰んなさい。」


「……っあんたに関係ないでしょ。」


「だからここは御影組の管轄内なんだって。そこで不祥事が起きちゃ困るから。何より好きな女をこんな危ない所に置いておけないだろ?」


「だとしても、私がなにしようとあんたに口出しされる義理はない。」


「強情だな。」


肩を掴まれた手の力がだんだん強くなっていく。
きりきりと痛み出して。
思わず顔をゆがめる。


「こんな小さな力ですら痛いんだろ?」


「痛くないっ。」


「お前は女で俺は男。
 女は力で男には勝てない。」


「うるさい。」


「真昼は弱いんだ。守られる側の人間なんだよ。」


守られる側?
なにそれ。


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