【完】真昼の太陽
勝手に決め付けないでよ。
守ってもらわなくたっていい。
誰もそんな事頼んでない。
それに、守ってくれる人なんて。
どこにもいないじゃない。
「離せ!!」
全体重を込めて御影を押すと。
予想していなかったのか一瞬よろけた。
その隙を見逃さないで私は走って御影から逃げた。
あいつは私の居場所まで奪うの?
あの場所は、私に干渉しない。
唯一の場所だったのに。
あいつのせいで。
居場所がどんどん蝕まれていく。
夕日が沈むより前に施設につくのは何年振りだろう。
それでも今から行くところなんてどこにもなくて。
私は施設のドアを開けた。
「……ただいま。」
小さく呟くと、ちょうど施設長が目の前を通りかかった。
「あっ、真昼ちゃん。おかえり。」
「ただいま。」
昨日の盗み聞きもあって顔合わせづらい。
急いで靴を脱いで部屋へ行こうとしたところを。
施設長に呼び止められた。
「少し話があるんだけど。」