【完】真昼の太陽
東を統一している御影組。
上に立つ者と関係があると分かったら。
私、今結構やばい状態なのかもしれない。


「あんなやつの女じゃない。」


「でも真夜と関係はあるってことだよね。」


「違う。」


「匂いが証拠だよ。
 ……僕たちの倉庫に来てもらおうか。」


「えっ、っちょっと!」


そう言われると身動きをとるひまもなく抱きあげられる。
これ、お、お姫様だっこ!!
軽々として見せたその行動に恥ずかしくなる。


「ちゃんとご飯食べないといけないよ。君は軽すぎる。」


「お、下ろして!」


「それはできないかな、ごめんね。」


ふわり微笑むとそのまま歩きだした。
路地裏から表の通りに出れば人からの視線が集まる。
それがいたたまれなくて顔を隠す。


ふと、視線を感じなくなった。
不思議に思って顔を上げればみんなおびえたような顔で下を向いていた。


……この人が何かしたのだろうか。
さっきの男の人も顔を見ただけで逃げていったし。


繁華街の出口に差し掛かったところで。
私は見知った顔を見ることになる。



< 32 / 40 >

この作品をシェア

pagetop