【完】真昼の太陽
今までの比じゃないくらいに怒鳴り声を上げる御影。
その声に私は怯えてしまう。
さっきの眼光もあって。
御影が少し、怖い。
「ここは西の地区だぞ!しかも繁華街なんて。ここじゃあいちばん治安が悪い所だ。そんな中制服でしかも女ひとりで歩くなんて襲って下さいって言ってるようなものなんだぞ!いい加減にしろ!!」
なんで、私怒られてるんだろう。
どうして、そんなにしてまで。
私の事を心配するんだろう。
「でも、さっきの朝日さんって言う人が助けてくれた。」
「あいつは西の地区を統括する都雲組の長でトップの人間だ。あいつに連れ去られてたらお前、殺されてたかもしれないだぞ。」
都雲組って。
しかも長ってことは。
統括している本人ってこと?
あんなにのほほんとしているのに。
この人が、ここを……。
「なんでこんなところにいやがる。
ちゃんと家に帰れって言っただろうが。」
私なんでこの人に怒られるんだろう。
何も知らない癖に説教なんてされて。
私の事、知らない癖に。
今どんな状況かも知らない癖に。
「少しは心配するこっちの身にもなれ。」