【完】真昼の太陽
絶望的な状況に笑いすら込み上げてくる。
本当に私、どこにも必要とされてないんだ。
……死ねたらいいのに。
もういっそ、死んでしまいたい。
へらっとした笑顔がはりついた。
いなくなればいい。
そう思うと、辛いものがはじけた気がした。
その時右の頬が熱くなるのを感じた。
反動で顔は横を向いて。
熱が引くとともにジンジンと痛みが襲ってくる。
……叩かれた?今。
「俺に言えばいい。俺がお前を助けてやる。」
叩かれた所をおさえて、御影の方を見る。
ああほんと。
なんでこいつはこんなに。
真っ直ぐな瞳をしているんだろう。
「泣いていることに気付かないくらいボロボロなんだろ?辛いんだろ?苦しいんだろ?居場所がほしいんだろ?言えよ、ほら!!早く!!」
後ろから照らす夕日で、御影の顔が見えない。
それでも赤い髪は燃えているようで。
まるで、太陽みたいだった。
私を照らす、太陽のようにみえた。
「俺が居場所になってやる。俺が救ってやる。だからもう我慢しなくていい。お前が暗闇の奥底にいるなら、俺が引っ張ってやる。俺がお前の太陽になってやる。」