【完】真昼の太陽
女子の友情なんて、もっと薄っぺらい。
トイレにまで一緒に行かなくちゃいけない使命感。
自分がいない所で悪口を言われていることに気付かない間抜けな生き物。


友達という仮面を張り付けて。
裏では簡単に裏切る。
そんな、醜い、生き物たち。


「今井さんの噂って本当なのかな?」


「否定しないんだし本当でしょ。」


「ええ~、怖い。」


「3年の先輩の彼氏寝とったとか。
 繁華街で援交してるとか。
 ヤバい薬やってるとか。」


「今井さん美人だし、あり得そう。」


「何考えてるか分かんないもん。
 関わらない方が良いよ。」


「って言うかこれ聞こえてないかな。」


「大丈夫でしょ。イヤホンしてるし。」


大丈夫じゃないし。
聞こえてるし。


っていうか、そんな噂流れてるんだ。
ばかばかしい。
何一つ正しいことなんてないのに。
みんな信じて。
勝手に思い込んで。
勝手に怖がって。


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