【完】真昼の太陽
「おい、無視してんじゃねえよ。」
「ちょっとこっちこい。」
今回の二人組はたちが悪いのか。
強引に腕を引っ張られる。
こんな事は何カ月も通っていて初めての出来事で。
内心戸惑ってしまう。
でも不思議と恐怖は感じない。
これから起きることが想像できているからだろうか。
だから、身体が震えたりはしなかった。
いい意味でも悪い意味でも。
周りの人間は他人に無関心で。
こうやってナンパされている女性を繁華街で見かけるのは。
日常茶飯事の出来事で。
だから、私がこの男達に連れ去られても。
誰も警察に通報したり。
助けてくれたりなんかしない。
ここでは全部自己責任だ。
そして私は。
携帯なんて便利なもの持っているはずもなく。
抵抗なんて無駄なことするつもりのなく。
ただただ引っ張られる引力に身を任せて。
男たちと路地裏へと移動した。
私が抵抗しないことをいいことに。
男たちの行動は大胆になっていった。
「抵抗しないでオトナシイなんて自分の立場よく分かってんじゃん。」
「痛いようにはしねえよ。キモチヨクしてやるから。」