【完】真昼の太陽

男達に触れられた所から。
菌が繁殖して行くような気がする。
蝕まれていく錯覚に陥る。
触れた場所が黒くくすんで。
闇と同化していく。


このまま堕ちれば。
私、死ねるだろうか。


目から光がなくなっていく感覚がする。
心が冷たい。
身体も、神経も。
全部、何も感じない。動かない。


首元に男が舌を這わせる。
執拗に舐められ鎖骨辺りを噛まれる。


不快感すら、感じない。
不感症なのだろうか。
気持ち悪いとも、思えない。


もう一人の男がスカートの中に手を入れ始める。
ゆっくりと手を入れていき、下着に手をかけた。
グイッと下げられる感じがする。


刃物を取り出す音が遠くで聞こえる。
ああ、切り刻まれるのかな。


制服代、ないんだけど。
この後にたかればいいかな。


本当、援交でも始めようかな。
そしたら施設も出ていって。
ひとり生きていけるのに。


シャツにも手をかけられ始めて。
今から汚される覚悟をした時。
身体に感じていた重みが一瞬にしてなくなった。


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