サクラサク~恋の蕾、花が咲く時。~
第14章 受験前、最後の
あるデートから
数日のこと…。
いつものように
四人でお昼を
食べていたときだった。
「ねぇ、優真?」
「ん、どした?」
「優真は卒業後の
進路はどうするの?」
「お、突然の真面目な質問。
ん~と、
俺は公務員になるつもりだよ」
「そうなんだ…。
じゃあ就職組ってことね?
がんばってっ!
私、応援してるから!」
「七海、ありがと。
ちなみに七海は…?」
「私?私は一応、進学で
専門いきたいな…って。
で、さっき合格通知が
学校に届いて決まりました!」
「まじ!?
七海、おめでと~っ」
ぎゅっ
「ありがと。
けど…離して?」
「あ、ついつい」
「えっ!?
あの優真くんがあっさり…」
「たぶん久也も
ちょっとは、
がまんを覚えたんだよ」
「なるほどね」
「ところで、ゆりなは…?」
「え、私?
私は…大学にいきたいな…って。」
「え、まじ?
俺も大学いこうと
思ってるんだよね」
「二人は大学ですか。
もしかして同じ大学?」
「私はA大学志望だけど…」
「えっ、俺もA大学志望…」
「え、二人ともそれは偶然?
あ、大学一緒でも…学部は?」
「私は…心理学部。
久也は?」
「俺は教育学部だよ」
「なにはともあれ
進学組も、がんばれよ」
「お前もな。」
それから
また数日後のこと…
今日は
久也と一緒に放課後、
県の図書館へ行った。
「今日が受験前
最後のデートになるかもな」
「図書館でデートという名の
勉強会だけどね」
「あ、そうだっけ」
「さて、なにはともあれ
勉強しましょうよ」
私たちは図書館で
気づけば半日
勉強していた。
「ふぅ。
やっと今日の分終わった」
「私も今ちょうど終わった」
「んじゃあ…帰るか。
あ、でも、しばらくは
デートもなしだし…
クレープ屋にでも
寄り道してからさ?」
「いいねぇ。じゃあ行こ」
クレープ屋にて。
「苺クレープと
チョコバナナクレープひとつ下さい」
「こちらですね。
ありがとうございます。」
「クレープ食べるの久しぶり。
あ、クレープで乾杯しよ?」
「いいよ?
じゃあ…目指せA大学っ!
かんぱーい」
「かんぱーいっ」
「ん、チョコバナナ甘ぇ!」
「チョコが甘いもんね。」
「じゃあ甘酸っぱい
苺のほう、ちょーだいよ」
「はい、どうぞっ?」
「そっちじゃなくて…」
「?」
「こっちだよっ」
チュッ
「ん、こっちも甘いや。
苺じゃなくて
ゆりなの口についてた
クリームだからかな?」
「もぉっ」
「しばらくなしだったら
これくらいいいでしょ?」
「周りの目を
ちょっとは気にして?」
恥ずかしくて
ついついこんなことを言う
私なのです…。
「はいはいっ」
食べ終わり
クレープ屋を後にした。