サクラサク~恋の蕾、花が咲く時。~
第15章 恋敵到来?


ある日の図書館でのこと。




俺の休日の
勉強場所は図書館。



いつものように
勉強する場所を
探してるときだった…。



「さて、空いてる場所は…」


ん?



あれは、もしや…



「ゆりな?」




声をかけたいところだけど
勉強してるみたいだし…

それは止すことにした。



が……             



「ゆりな、勉強の進み具合
どんなカンジ?」


「ちょっと数学の
ここがわかんなくて」


「ん、どれどれ~?
あぁ、これは公式使うんだよ」


え、



え…っ


えぇーーーっ!?



なんだなんだ!?
誰だあの男は!?



俺より
少し年上に見えるけど…



あ、家庭教師か?



うん。そうだ、そうに違いないっ!




「公式?ん~…
あっ、わかった。
ここをこうして……こう?」



「大正解。
やればできるじゃん」


そいつは
ゆりなの頭を
なでてそう言った。


なに気安く
ゆりなの頭
なでてんですか?


「ゆりなは、覚えがいいもんな」



「そんなことないって。
龍平くんの教え方が上手だからだよ」




「まぁな。
俺が教えなきゃ
ゆりなは
すぐ忘れるしな」



「だって龍平くんの方が
記憶に残りやすいんだもん」



「まぁいやらしい記憶も
俺だったら記憶に
残ったまんまになるかもよ?」



「図書館でそういうことを
大きい声で言わないでくれますかね」



「ん~そうか?
あ、やべっ。
今日これから大学に行かねぇと」




「そうなんだ、
わざわざありがとね。」



「あっ、けど大学終わってから
今日もまた家行くから。」



「了解」



「それまで勉強して
待ってろよっ?」



「はいはい。
わかってますよ」



「んじゃあな~」



「バイバ~イ」



んんっ?!
アイツとゆりな
毎日あってんのかよ!?


てかアイツは
ゆりなと
どういう関係なんだ!?



もしかして
ゆりなは
俺よりアイツが好きなのか?


だから家に入れるのか?



今日は電話するの
…やめようかな



でもなぁ
事実はわからないから
まだ決まったわけじゃない


今ここで直接あって話す
勇気はないけど…。



電話でなら…
よし、その時に
思いきってきいてみよう…。


そして…夕方。 

俺は
悶々としていた。

すると、突然
携帯が鳴り、驚いた。


あ、ゆりなだ。



「はい、もしもし」


いつも通りに
落ち着け落ち着け、俺!



「もしもし?
あ、今、勉強中…?」



「いや、読書中だった」



「あ、そっか」



「うん。
…ゆりなは?」



「私は勉強してたけど
区切りがいいところで
切り上げたの」



「ん、そっか」




「あ、そういえば久也、
今日も図書館で勉強してたの?」


およよ??
ゆりな、自分から
そこの話し振りますか?


まぁ…
あのことを
ききやすくなったけど



「うん。
図書館で勉強してたよ」



「そっか」


「うん。
あ…それで
ゆりな見かけたよ?」



「え?そうなの?
気づかなかった。
声かけてくれれば
よかったのに。」


いやいや。
そうしたかったけど
ある意味で
そんな勇気なかったよ…。



「えっ。だって…
ゆりな、誰かといたからさ…」



「あぁ、あの人は龍平くんだよ。」


名前はあの場所で
もうわかったよ。



「へぇ…。」


で?そいつとは
どんな関係なんだ?



「あ、誤解しないでね?
龍平くんは家庭教師だから」


いや、
あれは違うと思う…



「ホントに?
頭なでなでされてたのに?」



「ホントだよっ。
あれは龍平くんの癖なだけだよ?」



「いや…怪しいんですけど」



「ホントだもんっ」



「お、ゆりなっ。
…って誰かと電話中かい?」



「ん?あ、龍平くん」



「え?どういうこと?」



「勉強教えに
来てくれたからだよ。

久也…私が信じられない?」



「…じゃあ証明してよ?」



「わかった。
それじゃあ…
今から私の家に来てくれる?」



「うん。今から行く」



「久也のこと待ってるね。
また後で。」



俺はゆりなの家へと
向かった。



「今の電話の相手って
彼氏でしょ?」



「うん。」



「今から来るの?」



「うん。」


「じゃあ今日は俺
帰った方がいいかな?」



「ううん。
久也に会わせるから
そのまま居てくれる?」



「わ、わかった。
…にしても
彼氏となんかあったの?」



「今日、図書館で
龍平くんといたのを
見たみたいでちょっとね…」



「あぁ、俺のこと
勘違いしたのか。
なるほどね~」



「だから
これから違うっていうのを
証明するからって
久也に言ったの」



「そっかぁ。
ゆりなは、彼氏に
愛されてるんだな。」



「私は幸せ者ですから」



「ちなみに
彼氏とはどこまで…?」



「龍平くんってば
何変なこと言ってんのっ」



「いやぁ。
その焦り的にもう
しちゃった系?」



「龍平くんの変態。
そんなわけないでしょっ!?」



「ふ~ん。
じゃあ、まだなんだ?」



突然龍平くんが
私の肩に手をまわしてきた。



「肩から手、退けてよね。」



「俺にゆりなの初めてを
奪わせてくれたらな。」


「はぁ!?
それは…いやです!」



「え~なんで~?」


コンコンッ…ガチャッ



「ゆりな、入るね?」



「私は久也、一筋ですから。
久也以外の人はいやなの」




「おや?いいタイミングで
彼氏登場だな」




「ゆりな、ホント?」




「ほんとだよ?」



ぎゅっ



ゆりなが俺にハグをした…。




「そっかぁ。よかった…
俺もゆりな一筋だよ。
疑って…ごめんね?」



「いいよっ。
ちゃんと言わなかった
私が悪かったんだもの」




「めでたしめでたしで
よかったなっ」




「あ、龍平くんのこと忘れてた。
んと、龍平くんに紹介します、
私の彼氏の久也です。」



「どうも…」



「で、久也に紹介します、
小さい頃から遊んでて、
幼なじみの
家庭教師をしてくれてる
龍平くんです」



「よろしく~」



「えっ。幼なじみ?」



「うん。
龍平くんは幼なじみだよ。
あ、ちなみに龍平くんは
1つ上で、A大学に通ってるんだよ」



「4月を楽しみにして
二人を待ってるよ」



「そうだったのか…
なんか事実がわかったら
力ぬけてきた」




「まぁ、ってことだから
久也、よろしくな」




「あ、こちらこそ」



「けど油断すんなよ?
俺はお前が隙をみせたら
すぐにでもゆりなを
奪いに行くからな?
覚えとけ」



「はい。じゃあ…
俺がいない間
勉強中のゆりなに
何かしたら
ただじゃ済まない
ってのも
覚えといてくださいね?」


こうして
俺にとっては
龍平というライバルが現れたのだった…。




「あ、そうだ。
ゆりなが久也を
ホントに好きならさ、
今ここで俺の目の前で
二人ともキスしてよ」


「いいですけど?」


「えっ、恥ずかしいよ…」


「龍平はこの部屋に
いないものと思えば
大丈夫だよ。」



「で、でもっ」



「仕方ないな、
一瞬だけ後ろ、
向いててやるよ。」


龍平くんは
後ろを向いた。


「はい、どうぞ~」


「それじゃあ…」


チュッ…


龍平くんは
振り向いて私達をみた。


「あら、いい眺めだ。
そのまま続けて続けて。笑
じゃっ!
俺はお邪魔だから帰るわ。
明日はちゃんと勉強だからな。
じゃあまた明日~」


そう言って
龍平くんは帰っていった。 



久也は私から
ゆっくり離れた。




「俺もそろそろ
帰らなきゃ…」


思わず私は
久也に抱き着いた。


「まだもう少しだけ…」



「ん、わかった。いいよ?」


しばらく私達は
抱き合っていた…。


「…ねぇ、久也?」



「ん?」



「私を…抱いて?」



「なっ。
と、突然どした?」



「龍平くんに…
抱かれたくないから」



「龍平の野郎に
なんか変なこと言われたの?」



「うん…。
龍平くんに
彼氏とそういうことは
してないって言ったら…
肩に手まわしてきて
初めてを奪わせてくれる?
って言われて…」



「龍平、んなこと言ったのか!?」



「…うん。
冗談だとは思うんだけどね」



「そっか…
けど、安心しろ。
俺が絶対そんなことさせない」



「久也…」



「だから…心配すんな」


私の頭を優しくなでた。



「ん、わかった」


「もう少しだけ
待っててな?」



「うん」



「かわりに今は…」




久也は
私の首筋に
しるしをつけた…。



「予約ってことで」






「卒業まで待っててくれ」

久也は
唇に触れるだけのキスをした。


「うん」



「じゃあ…またね?」



「またね」




久也は
家に帰っていた。


翌日。


龍平くんが
いつものように
勉強を教えに家にきた。




「よっ。」



「龍平くん、今日もよろしく」



「はいよ。」



「ん?あれ?」


「どうかしたの?」



「彼氏からのキスマークがみえてるぞ。」



「わざとだよ、わざと」


久也が付けてくれた印は
隠さないで
あえて龍平くんに
見せつけておくようにと

久也から今朝
連絡がきたからね。



「絆創膏しときなさ~い。笑」



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