天使は金の瞳で毒を盛る
「ああ、あたしもため息出ちゃいます。」
篠山さんが言った。私は慌てて言った。
「ごめんね、うつっちゃうよね、気をつける」
「いえ、そうじゃなくって。早く課長帰ってこないかなあって」
「なんで?なにかあった?」
私の質問に彼女は首を振った。
「違いますよ、モチベーションの話です。課長いるとやる気出るんですよねえ」
「あ、それはわかるなあ」
林さんが言った。
「ですよね?なんか仕事に行きたくない日でも、課長いると思うと行く気になるっていうか。一ヶ月前までどうしていたのか思い出せませんもん」
そうそう、と林さんが相づちをうち二人でもりあがっている。
ごめんなさい、全然わかんない。むしろ私は彼が来てからモチベーションさがってますから。
その言葉を口に出すことなく、目の前の書類に取り組んだ。とにかく、やらないことには始まらないわけで。
と、内線がなった。少し離れた席にいる佐藤さんが取る声がする。二つ先輩の男性社員だ。
「ええ。はい。その件なら。え、あれ、ちょっと待ってくださいね」
書類から目をあげて彼を見ると、難しい顔して電話しながらパソコンを打っていた。
「すいません、確認してまた後で連絡します、はい」
佐藤さんは電話をきると、厳しい表情でキーボードを打ち続けた。
篠山さんが言った。私は慌てて言った。
「ごめんね、うつっちゃうよね、気をつける」
「いえ、そうじゃなくって。早く課長帰ってこないかなあって」
「なんで?なにかあった?」
私の質問に彼女は首を振った。
「違いますよ、モチベーションの話です。課長いるとやる気出るんですよねえ」
「あ、それはわかるなあ」
林さんが言った。
「ですよね?なんか仕事に行きたくない日でも、課長いると思うと行く気になるっていうか。一ヶ月前までどうしていたのか思い出せませんもん」
そうそう、と林さんが相づちをうち二人でもりあがっている。
ごめんなさい、全然わかんない。むしろ私は彼が来てからモチベーションさがってますから。
その言葉を口に出すことなく、目の前の書類に取り組んだ。とにかく、やらないことには始まらないわけで。
と、内線がなった。少し離れた席にいる佐藤さんが取る声がする。二つ先輩の男性社員だ。
「ええ。はい。その件なら。え、あれ、ちょっと待ってくださいね」
書類から目をあげて彼を見ると、難しい顔して電話しながらパソコンを打っていた。
「すいません、確認してまた後で連絡します、はい」
佐藤さんは電話をきると、厳しい表情でキーボードを打ち続けた。