天使は金の瞳で毒を盛る
自分のデスクまで戻って座る間も無く、林さんが話しかけてきた。
「ごめんね、勅使川原さん、まだ一箱あったわ。お願いできる?」
「え?」
デスクのすぐ近くに一箱たしかに置いてあった。
「よろしくね」
そう言って林さんは席に着いてしまった。篠山さんも席にいない。まあ、どっちにしろ一人でやるけれども…。
今日は厄日だ。
運ぼうとして、台車を資料室に置いてきたことに気づいた。取りに戻ろうかとも思ったが、それもなんだか面倒でそのまま運べないか箱を持ってみた。
な、なんとか、なるかな?重いけど。
そのままヨタヨタと廊下に出る。なんか、腰痛いかも。普段、重いものなんて全く持たないからなあ。
半分視界も塞がれた状態で危なっかしく歩いていたら、名前を呼ばれた。
「勅使川原さん、何運んでるんですか。手伝いますよ」
榛瑠だった。なんか、もんのすっごく、腹が立ってくる。
「いいです。私の仕事です。大丈夫です」
「資料室まで運べば良いんですね?」
「いいですから、課長は早く仕事に戻ってください。遊んでないで」
そう言って、早足で立ち去ろうとして、箱の重さでよろめいてしまった。
榛瑠が腕を伸ばして支えてくれる。
「ほら、危ないでしょう。運ぶなんて直ぐですよ。貸して」
そう言って、ダンボールを取って行く。彼が持つと軽い荷物みたいに見える。
すごく面白くない。…でも、助かるけど。
資料室はまたしても誰もいなかった。いったい、ここの人たちはちゃんと仕事しているのだろうか。
資料を入れる棚の前にダンボール箱を置いてもらう。
「ごめんね、勅使川原さん、まだ一箱あったわ。お願いできる?」
「え?」
デスクのすぐ近くに一箱たしかに置いてあった。
「よろしくね」
そう言って林さんは席に着いてしまった。篠山さんも席にいない。まあ、どっちにしろ一人でやるけれども…。
今日は厄日だ。
運ぼうとして、台車を資料室に置いてきたことに気づいた。取りに戻ろうかとも思ったが、それもなんだか面倒でそのまま運べないか箱を持ってみた。
な、なんとか、なるかな?重いけど。
そのままヨタヨタと廊下に出る。なんか、腰痛いかも。普段、重いものなんて全く持たないからなあ。
半分視界も塞がれた状態で危なっかしく歩いていたら、名前を呼ばれた。
「勅使川原さん、何運んでるんですか。手伝いますよ」
榛瑠だった。なんか、もんのすっごく、腹が立ってくる。
「いいです。私の仕事です。大丈夫です」
「資料室まで運べば良いんですね?」
「いいですから、課長は早く仕事に戻ってください。遊んでないで」
そう言って、早足で立ち去ろうとして、箱の重さでよろめいてしまった。
榛瑠が腕を伸ばして支えてくれる。
「ほら、危ないでしょう。運ぶなんて直ぐですよ。貸して」
そう言って、ダンボールを取って行く。彼が持つと軽い荷物みたいに見える。
すごく面白くない。…でも、助かるけど。
資料室はまたしても誰もいなかった。いったい、ここの人たちはちゃんと仕事しているのだろうか。
資料を入れる棚の前にダンボール箱を置いてもらう。