天使は金の瞳で毒を盛る
私はデザートの準備にとりかかった。

盛り付け用の苺を取り出して切る。それからミントやベリーやら。

手早く、でも丁寧に。

ふと、榛瑠がおやつを作っているときの顔が浮かんだ。

集中していて余裕がない顔。

そんなにまでしなくても、と思って見ていたが、きっと楽しんでいるのだろう。

彼もきっと。

ひとつひとつ、心をつかって。

あなたを、想って。



前章 1 :〈 完 〉

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