天使は金の瞳で毒を盛る
見たこともない相手になんとなく敵意が募る。お父様もちょっとひどいわ。
その時、部屋をノックする音がした。
「ちょうど来たようだな。入りなさい」
部屋の扉が開く。
次の瞬間、私は椅子の音を立てて思いっきりたちあがった。
悪夢がそこに人の形をして立っていた。
そしてその悪夢は今、ブランチをとる私の斜め向かいに座りコーヒーをのんでいる。
白いシャツを着て、ゆったりと椅子に座る彼の後ろの大きな窓から光が射し込んでいる。
明るい髪に光が透けて毛先が金色にゆれる。
長い指と形の整った爪が華奢なコーヒーカップに添えられていて、何だかやけに綺麗に見える。
彼がふと目をあげて視線があう。うわっ。私は思いっきり目をそらせた。
感じ悪いかな、いやいや、悪くていいの!
「ぼうっとしてないで早く食べたらいかがですか?一日が終わってしまいますよ」
だとしても、あなたには関係ないし。と心で言いつつ表向きは無視して食事を続ける。
関係ない 、関係ないっと。
この人は私が最初にこちらからお断りする婚約候補者になるんだわ。
「…よそ見してるからついてますよ」
そう言って榛瑠の手が伸びてきた。唇の横に触れて、拭って離れる。
私はその間、身じろぎも出来ずに固まっていた。
そしてハッとして立ち上がった。
「ごちそうさま!」
「…今日はどんな予定ですか?」
「どんなんでも私の勝手だから!あなたはあなたでステキな一日を過ごして、じゃあ!」
私は言いすてると部屋をあとにした。
その時、部屋をノックする音がした。
「ちょうど来たようだな。入りなさい」
部屋の扉が開く。
次の瞬間、私は椅子の音を立てて思いっきりたちあがった。
悪夢がそこに人の形をして立っていた。
そしてその悪夢は今、ブランチをとる私の斜め向かいに座りコーヒーをのんでいる。
白いシャツを着て、ゆったりと椅子に座る彼の後ろの大きな窓から光が射し込んでいる。
明るい髪に光が透けて毛先が金色にゆれる。
長い指と形の整った爪が華奢なコーヒーカップに添えられていて、何だかやけに綺麗に見える。
彼がふと目をあげて視線があう。うわっ。私は思いっきり目をそらせた。
感じ悪いかな、いやいや、悪くていいの!
「ぼうっとしてないで早く食べたらいかがですか?一日が終わってしまいますよ」
だとしても、あなたには関係ないし。と心で言いつつ表向きは無視して食事を続ける。
関係ない 、関係ないっと。
この人は私が最初にこちらからお断りする婚約候補者になるんだわ。
「…よそ見してるからついてますよ」
そう言って榛瑠の手が伸びてきた。唇の横に触れて、拭って離れる。
私はその間、身じろぎも出来ずに固まっていた。
そしてハッとして立ち上がった。
「ごちそうさま!」
「…今日はどんな予定ですか?」
「どんなんでも私の勝手だから!あなたはあなたでステキな一日を過ごして、じゃあ!」
私は言いすてると部屋をあとにした。