天使は金の瞳で毒を盛る
篠山さんが案内してくれたお店はランチということもあって混んでいた。
少し待って案内され、四人がけテーブルに二人で座る。オーダーして待っていると、相席をお願いされた。
「あ、佐藤先輩、どうぞどうぞ、いいですよね?」
篠山さんが私に確認する。もちろん、と答える。同じ課の佐藤さんと、もう一人の男性は…
「あ、こっちは同期で営業一課の尾崎、こちらはうちの部の篠山さんと、」
「勅使川原さんですよね、以前営業二課にいた」
私は頷いた。どうして知っているのだろう。その思いが顔に出たのか、尾崎さんが続けて言った。
「鬼塚係長と組んでたでしょう、よく怒られてたの見かけたので」
「うわっ、恥ずかしいんですけど。できれば忘れてください」
「そう言いながら未だに一花さん、係長に怒られてますよね」
篠山さんが明るい声で言うと笑った。
そうなのよね、なんでかわからないけど、縁が切れないと言うか…
「もしかして鬼塚さんと付き合っているとか?」
はい⁉︎ 何言ってるの、この尾崎さんって人⁉︎
「ち、ちがいます、なんですかそれ、ありえませんから!」
私は首を振りながら全力で否定した。
その場のみんなが笑う。冗談かあ、あーびっくりした。
そうこうしてるうちに私たちのトンカツ定食がきた。男性二人に断って先にいただく。
ここは結構以前からあるらしい少し古びたトンカツ屋さんなんだけど、その分画一的な味じゃなくて美味しかった。
衣サクサクだし、お肉はジューシーだし、熱々を口にすると、油がじゅわって。添えられた自家製の白菜の漬け物も、さっぱりとしていつつみずみずしくて、口直しにも最高。あーおいしい!
家では基本的に体のことを考えた、ヘルシーで添加物とかも出来るだけ排除したものがだされる。
それはもちろんおいしいし、ありがたいのだけれど、でも、正直、働きに出て何が嬉しかったって、このなんでも好きなものを選んで食べられるランチタイムだった。
「2人ともおいしそうに食べるねえ」
佐藤さんが言った。なんだか急に恥ずかしくなる。
「美味しいもの食べてるんだから当たり前ですって」
篠山さんが言い返す。
少し待って案内され、四人がけテーブルに二人で座る。オーダーして待っていると、相席をお願いされた。
「あ、佐藤先輩、どうぞどうぞ、いいですよね?」
篠山さんが私に確認する。もちろん、と答える。同じ課の佐藤さんと、もう一人の男性は…
「あ、こっちは同期で営業一課の尾崎、こちらはうちの部の篠山さんと、」
「勅使川原さんですよね、以前営業二課にいた」
私は頷いた。どうして知っているのだろう。その思いが顔に出たのか、尾崎さんが続けて言った。
「鬼塚係長と組んでたでしょう、よく怒られてたの見かけたので」
「うわっ、恥ずかしいんですけど。できれば忘れてください」
「そう言いながら未だに一花さん、係長に怒られてますよね」
篠山さんが明るい声で言うと笑った。
そうなのよね、なんでかわからないけど、縁が切れないと言うか…
「もしかして鬼塚さんと付き合っているとか?」
はい⁉︎ 何言ってるの、この尾崎さんって人⁉︎
「ち、ちがいます、なんですかそれ、ありえませんから!」
私は首を振りながら全力で否定した。
その場のみんなが笑う。冗談かあ、あーびっくりした。
そうこうしてるうちに私たちのトンカツ定食がきた。男性二人に断って先にいただく。
ここは結構以前からあるらしい少し古びたトンカツ屋さんなんだけど、その分画一的な味じゃなくて美味しかった。
衣サクサクだし、お肉はジューシーだし、熱々を口にすると、油がじゅわって。添えられた自家製の白菜の漬け物も、さっぱりとしていつつみずみずしくて、口直しにも最高。あーおいしい!
家では基本的に体のことを考えた、ヘルシーで添加物とかも出来るだけ排除したものがだされる。
それはもちろんおいしいし、ありがたいのだけれど、でも、正直、働きに出て何が嬉しかったって、このなんでも好きなものを選んで食べられるランチタイムだった。
「2人ともおいしそうに食べるねえ」
佐藤さんが言った。なんだか急に恥ずかしくなる。
「美味しいもの食べてるんだから当たり前ですって」
篠山さんが言い返す。