天使は金の瞳で毒を盛る
そうこう考えながら建物を出た時、榛瑠にすれ違った。午前中、外に出ていたのだ。

「勅使川原さん、昼休憩ですか?」

「あ、はい、課長、お疲れ様です。ランチしてきます。」

そう言って、通り過ぎる。二人でいるところを見られて落ち着かない。

なんで、私が後ろめたく思わなくちゃいけないのよ!

「何か食べたいものありますか?」

「なんでも食べられますよ!たくさん食べられます!」

わ、なんかイライラついでに、言っちゃった。恥ずかしい。

尾崎さんは声を出して笑った。







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