実話『それでも、アタシは生きる』~消えた記憶~


2人暮らしは順調だった。


毎日、ご飯を作って

しゅんの帰りを待つ。


『りり、ただいま』

しゅんがアタシに抱きつく。



『こんな素敵な彼女に

料理作ってもらえるなんて
オレ幸せ者だな』


しゅんは嬉しそうにそう言う。


そしてただいまのキス。


『りり大好きだよ・・・』


そういって優しく
抱いてくれた。



携帯もお客さんから



かかってくるのが

嫌だと言って、



新しい携帯を
買ってくれた。



番号は変えられて
しまった。



ーもうユウキはこの番号は
知らないんだね・・・ー



ユウキと別れてから
メールアドレスも
番号も変えなかった。


いつかかかってくるんじゃ

ナイかとどっかで
期待していた。



アタシはあれからも


ずっと、



2度とかかってこない

コールを待ち続けてた。


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