実話『それでも、アタシは生きる』~消えた記憶~
ユウキの事情
俺は、昔から悪さばかりしていた
すぐカッとなるのが俺の悪い癖。
売られた喧嘩は買う。
オレはそーゆー奴なんだ。
俺の顔にある傷もそう。
ビール瓶でやられた跡。
暴れまわってた俺は
行き着く先は決まってる。
任侠の世界。
やくざの世界に足を踏み入れる。
友達の信用も失った。
こんな俺だから何回も捕まったよ。
俺の十代の思い出なんて
ほとんど檻の中。
馬鹿だろ?
親にも本当に見捨てられた
時期もあったよ。
だけど、最後に捕まった時に俺、はじめて言ったんだ。
「ごめんなさい」
この一言で変わったんだ。
親は何かを感じてくれた。