実話『それでも、アタシは生きる』~消えた記憶~
あれから何日過ぎただろう
頭にはユウキのことばかり。
考えたくなかった。
だから、がむしゃらに働いた。
そのうち、時がたち、
アタシは無事高校を卒業した。
バイト先のオーナーが
がんばったからといって
アタシを社員にしてくれた。
晴れて美容室に就職も決まり
嬉しかった。
夢が現実になっていく。
そこにはユウキはいなかった。
専門学校に行きたいから、
アタシは夜も働き始めた。
必至でお金をためた。
寝ないで毎日、働いた。
思い出す時間を作らないように。
めげないように。
夢に向かって
がんばれば、
いつか幸せがくると信じて。
アタシの心は疲れきっていた。