実話『それでも、アタシは生きる』~消えた記憶~
こうしてアタシは、
父親の手によって
警察に突き出されたのだった。
おろした時も辛かったケド、
比べ物にならないくらい辛かった。
人が亡くなった時の辛さと同じ。
アタシの中の大事な部分が崩れた。
アタシは警察署で、
エミは何も言わずそばにいてくれた。
誰も迎えにくるわけもなく、
そんなアタシを見たエミは
結局朝まで一緒にそこで過ごしてくれた。
ーアタシの父親はもういないー
アタシはその日から、
自分の中の父親の存在を消した。
いないと思ったほうが
ずっと楽だカラーーー。
次の日、アタシは荷物をまとめて
家をでた。
もう、帰ることはナイと心に決めて。