実話『それでも、アタシは生きる』~消えた記憶~
ひとり暮らし
仕事場の先輩が、
アタシに家を貸してくれる人を
紹介してくれた。
ボロいアパート。
2Kの部屋。
一人で住むには広すぎるくらい。
アタシにはやっと心穏やかに
暮らせる城だった。
もう、父罵声や、
ものが飛んでくることはナイ。
家具なんてもちろんナイ。
アタシの服だけだから
とても殺風景な部屋。
余計に広くみえる。
アタシは畳みの床に寝ころぶ。
はァー
深呼吸。
新しい畳の香り。
このまま寝てしまいそう。
ボロいけどなんか落ち着く。
いまどき畳の部屋なんて
探すほうが難しいよね。
ちょっと恥ずかしいケド
部屋は変えてけばいいや。
ーアタシはココが気に入ったー