突然現れた御曹司は婚約者
寧々が指差したのは一枚のポスター。


「『25歳から35歳限定の街コン!参加者求む!』?」


派手なピンク色で大きく書かれた文字読み上げてみれば、マスターが聞き付けてやって来た。


「ふたりとも興味あるなら参加してみない?明々後日で急なんだけど、俺が実行委員だから融通が利くよ。ていうか、人数集まらなくって困ってるんだ」


街コンは一度も参加したことがない。

でも友達が少しずつ結婚し始めている今、興味はある。

祖父母も生前、『嫁に行け』と事あるごとに言っていた。

花嫁姿を見せてはあげられなかったけど、その詫びとして結婚相手を真剣に探すのはいいかもしれない。

それに、ここでいい人が見つかれば万が一また蓮がやって来ても断る理由になる。


「参加してみようかな」


前向きに呟くと寧々は柔らかく微笑んでから頷き、マスターを見上げ参加を伝えた。


「ふたり、参加でお願いします」
「いいの?助かるよ!じゃあ詳しい日程はここに書かれているから読んでおいて。あとエントリーシートも帰りに渡すから忘れずに持って帰ってな」

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