突然現れた御曹司は婚約者
そういう意味で言ったわけじゃないのに、なんでも私に話の矛先を向けてくる蓮に呆れてしまう。
「おい、そんな仏頂面するな。それより早く質問しろ。そのための時間だろ」
「まぁ、そうですね」
このまま黙っていても仕方ない。
「じゃあ…今までお付き合いしてきた人数を聞いてもいいですか?」
興味半分で気になっていたことを聞いてみた。
蓮のようなハイスペックな男性と話す機会なんてそうそうないから。
ただ蓮の口元が緩んだのを見て後悔する。
「なんだ、俺に興味あるんじゃないか」
「違います」
否定してもニヤニヤしてる。
しかも答えてくれないし。
「もういいです」
お付き合いしてきた人数が数え切れないほど多いのだろう。
そう勝手に答えを出して、プライベートシートに視線を落とし、その一番上から順に聞いていくことにした。
「職業からお願いします」
目も合わせず、無感情のまま聞けば、私の考えは蓮にも伝わったようで、口を挟む間も無く、一気に答え始めた。
「職業は会社経営、年齢は26、誕生日はきみと同じで、趣味は星崎栞を知ること、最近気になることは星崎栞という人物の近辺。好きなタイプは星崎栞のような真面目で誠実そうで家庭的な…」
「ちょ、ちょっと!ちょっと待ってください!それ、もしかして今までもそうやって答えてきたんですか?」
淡々と。
恥ずかしげもなく。
「おかしかったか?」
「おかしいに決まってますよ!」
想い人がいておきながら、街コンに参加するなんて、なにしに来たのだと言われかねない。
それに…
「まさかとは思いますけど、あなたの言う『ホシザキシオリ』が私だということは言っていませんよね?」
胸元に付けている名前の書かれたプレートを手で覆い、話していないことを願いつつ、問う。
でもその願いはあっさりと引き下げられた。
「何人かに『その人は今どちらに?』と聞かれたから『あそこに座っている』と正直に答えてきたよ」
「バ、バカなんじゃないですか!」
小声で怒鳴ると、蓮はムッとし、話の矛先を変えてきた。
「おい、そんな仏頂面するな。それより早く質問しろ。そのための時間だろ」
「まぁ、そうですね」
このまま黙っていても仕方ない。
「じゃあ…今までお付き合いしてきた人数を聞いてもいいですか?」
興味半分で気になっていたことを聞いてみた。
蓮のようなハイスペックな男性と話す機会なんてそうそうないから。
ただ蓮の口元が緩んだのを見て後悔する。
「なんだ、俺に興味あるんじゃないか」
「違います」
否定してもニヤニヤしてる。
しかも答えてくれないし。
「もういいです」
お付き合いしてきた人数が数え切れないほど多いのだろう。
そう勝手に答えを出して、プライベートシートに視線を落とし、その一番上から順に聞いていくことにした。
「職業からお願いします」
目も合わせず、無感情のまま聞けば、私の考えは蓮にも伝わったようで、口を挟む間も無く、一気に答え始めた。
「職業は会社経営、年齢は26、誕生日はきみと同じで、趣味は星崎栞を知ること、最近気になることは星崎栞という人物の近辺。好きなタイプは星崎栞のような真面目で誠実そうで家庭的な…」
「ちょ、ちょっと!ちょっと待ってください!それ、もしかして今までもそうやって答えてきたんですか?」
淡々と。
恥ずかしげもなく。
「おかしかったか?」
「おかしいに決まってますよ!」
想い人がいておきながら、街コンに参加するなんて、なにしに来たのだと言われかねない。
それに…
「まさかとは思いますけど、あなたの言う『ホシザキシオリ』が私だということは言っていませんよね?」
胸元に付けている名前の書かれたプレートを手で覆い、話していないことを願いつつ、問う。
でもその願いはあっさりと引き下げられた。
「何人かに『その人は今どちらに?』と聞かれたから『あそこに座っている』と正直に答えてきたよ」
「バ、バカなんじゃないですか!」
小声で怒鳴ると、蓮はムッとし、話の矛先を変えてきた。